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「通訳案内業」と「通訳」はどう違う?

以前、JFGで電話帳に広告をだそうとしたら、「"通訳案内業"というカテゴリーはありません。"通訳"とは違うのですか?」と訊かれたことがあります。多くの日本人は、「通訳」という職業は知っていても、「通訳案内業」という仕事があることはほとんどご存じないようです。「通訳」と「通訳案内業」はどう違うかも知られていません。

「通訳」の仕事ぶりは、外国人と共に同席されている日本の方にしっかり評価されます。通称「通訳ガイド」と呼ばれる私たちは、1日、1週間、10日間、2週間以上と、期間は様々ですが、日本各地を訪日された外国人を案内しながらずっと一緒に過ごします。ですから、私たちの仕事ぶりが日本の方に評価されるということはほとんどありません。「通訳案内業」という職業が日本の社会であまり知られていないのは、そんなところに理由があるのかもしれません。

京都東福院北庭 こんな話を聞いたことがあります。ある企業が、通訳が大変好評だったので、週末に外国人を京都へお連れする際にも一緒に行ってもらうことにしたそうです。ところが優秀だったはずの通訳は、外国人が質問する日本の事象、風物、歴史などにきちんと答えられず、外国人はフラストレーションから、帰京する頃には失望の色をかくせなかったということです。これは、言語はコミュニケーションの手段ですが、話すべき内容なしに良いコミュニケーションはあり得ないという例ですが、「通訳」と「通訳案内業」の守備範囲の違いがわかります。

又、英語圏以外の国から政界のVIPが訪日され、JFGに「通訳」の依頼があった時の話です。"英語なら何とか"という関係者も稀少言語のため皆緊張していました。通常、通訳は話されたことを正確に転換するのが仕事ですから、頼まれない限り他のことを進んではしません。ところが、「通訳ガイド」もするその通訳は、目配り気配りに慣れているため、さっとドアを開けたり、ちょっとした用事をこなしたりと、関係者が十分に手の行き届かないところを上手にカバーしたということです。"今迄の通訳と違ってとても助かりました"と、JFGはお礼状を頂きました。これは、「通訳」は言語のエキスパート、「通訳案内業」は、外国語は必要不可欠ですが、接遇が主な仕事であるという例です。

「通訳案内業」という職業を、少しでもわかっていただけたら嬉しいです。
"愛、地球博"も始まりました。多くの外国からのお客さまに、日本の魅力に触れ、日本人との交流を通じて、たくさんの感動と思い出を胸に帰国していただけるといいですね!
追記:平成17年6月3日に「通訳案内業法を一部改正する法案」が国会で成立しました。来年4月1日から施行される改正法により、私たちの正式職業名は「通訳案内業者」から「通訳案内士」に変わります。

(理事:SY)

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