Long way to go − 2年生通訳案内士からのメッセージ

「広島平和公園にて」 もう何十年も前の昔々、私がまだ高校生だった時のことです。京都御所近くで道に迷っていた外国人に ”May I help you?” と声を掛け、それから丸半日、暗くなるまで一緒に京都の街を歩きました。ちょうど桜が満開の時期でした。これが私とその英国人老夫婦が亡くなるまで続いた長い友情の始まりであり、今思うと私が通訳案内士を生業とするようになったきっかけでした。
通訳案内士としてあっという間に2年が過ぎました。私の拙い経験が新しくこの道を歩もうとしている方々の一助となれば嬉しく思います。加えて、一般の方々にも「通訳案内士」という国家資格を広く知っていただくことに繋がればと思います。

「築地交差点にて」 試験合格後、先ずはJFGからいただいたインバウンド取扱会社一覧に履歴書を送りました。予想はしていたもののまさに「なしのつぶて」状態でした。そこで、自らインターネットで探したエージェントに連絡を取り、研修を経るなどして夏頃から牛歩のごとくですが、プロとしての仕事をスタートすることが出来ました。「なしのつぶて」だった会社の数社から秋頃に突然連絡をいただいたこともありました。
最初に仕事の声をかけていただくまで様々な意味で「果たして専業でやってゆけるのか?」迷い悩み、毎日が日曜日状態でした。築地や浅草でキョロキョロしている訪日旅行者に事情を説明してボランティアで案内させていただいたりもしました。自分の出来に満足するどころか落ち込むことばかりでしたが、それでもゲストの笑顔や感動に出会えたことが何よりの励みであり喜びでした。
フリーランサーとして仕事を得て行くための王道はどこにあるのでしょうか?自分自身のこれまでを振り返って言えるのは、事前準備を十二分に行うこと、限られた一つ一つのツアー、一人一人のゲストに一期一会の想いで接すること、この二つに尽きると思います。

ツアー終了後の疲労感はゲストの笑顔を思い出すと解消されます。反省材料は次回に繋げる課題です。自分にとっては何十回と訪れている場所であっても、おおかたのゲストにとっては最初で最後のチャンス。まずは自分自身が楽しみ、感動しなくては何も伝えられないでしょう。そのために何か一つでも新しいものを見つけようと心掛けています。
JFGの研修や現場で先輩方のガイディングを垣間見ることがあります。話だけでなく身のこなしを含むその全てが美しく流れているのを拝見すると、この先の長い道のりを思います。しかし、今の自分ができる最高のサービスを「自分らしい」やり方で提供することが全てです。特別の「自分らしさ」とまでは言えないかもしれませんが、敢えて紹介させていただければ、
<スマイル ¥ゼロ>
 心の中では焦りながらも精一杯の笑顔を常に心掛けること。
「富士山バックのお客様」 <無料のプレゼント>
 ゲストのカメラで沢山の写真をお撮りすること。了解を得た上で自分のカメラでも撮って差し上げています。費用もかかりませんし、Thank youメールを送るきっかけにもなります。ゲストのカメラでは撮れないアングルが狙いです。
<季節に関連した小物をさり気なく>
 100円ショップで見つけたものを鞄などにつけて話のきっかけに。ゲストから「それ何?」って聞いていただけたら、めっけもの。

先日お寿司屋さんのカウンターで板さんからお聞きした話です。「寿司を握るだけなら数か月でそれなりに出来るよね。だけど魚を見てお客さんを見て、満足してもらえる寿司を出すには10年20年はかかるね。もう20年以上こうやって握ってるけど、それでも毎日が修行だよ。」


(Kazu)

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