今年は昨年に比べ通訳案内士試験の合格率(グラフ参照)、合格者数ともに減少しましたが、
JFG関東地区の研修は今年も合格者から高い評価を受け、バス3台満員で開催することができました。
研修会のプログラムは受講者からのアンケートやスタッフの反省レポートに基づいて毎年改善しています。
今年は例年どおりのバスを使った実地研修に加え、より実戦に即したものにするため、
プロのガイドにとってガイディングと同じくらい重要な添乗業務の完全習得のためのプログラムを組みました。
初日午前の添乗業務のセミナーの後、午後に明治神宮で再集合し、ウォーキングをしながら添乗業務中心の実地研修を行うというものでした。
具体的には「大型バスで東京駅周辺のホテルから出発し、明治神宮を見学し終わるまでの行程」をシミュレーションしたもので、
「ツアー出発30分前〜出発10分前〜出発時〜ドライブ中〜到着10分前〜到着5分前〜バスから下車〜訪問地での誘導とガイディング〜出発」、
とガイドの業務を時系列に分け、各時点でのガイドのすべきことのポイントを確認し、仕事の全体像を理解してもらえるように工夫しました。
アンケートでも、「この研修のおかげで、翌日からの実地研修講師の動きがよく理解できた」、
「実際のツアーの現場でいつ何をすればいいのかが分かった」とのコメントがありました。
今年の研修受講者の特徴は、昨年以上に男性が増加し全体の31%を占めるようになったこと、
そしてその年齢層も全受講者の73%が50歳以上と高くなってきたことです。
一方20代の受講生はたった4名で、30代を入れても全体の20%にすぎず、
若い世代が通訳案内士の仕事の将来性を危惧して参入をあきらめているのではと推察されました。
この職業が経済的に余裕のある主婦層や退職後の男性の仕事になりつつあることを感じ、通訳案内士業界の将来に不安を覚えました。
5日間を終え、アンケートを分析した結果、今年も大変満足したとの声が圧倒的多数で、
ほとんどの受講生が「講師の質の高さが評判通りだった」、
「現役の通訳案内士が、自らの貴重な知的財産である職業上のノウハウを後輩のために惜しみなく披露してくれたことに感動した」などの感想を残してくれた他、
今年は「現役通訳案内士である準備・添乗スタッフのきびきびした働きぶりに感銘を受けた」とスタッフに対する感謝のコメントも目立ちました。
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