近年直島、豊島、犬島などアートの島に来られるお客様が増えてきました。瀬戸内の島々への本州側からの出発点となるのが岡山市。
市内で建築や美術に関係のある場所を少しお伝えしようと思います。
岡山駅までの車の送迎の際少し待ち時間があるなという場合、岡山大学津島キャンパスのJテラスカフェ(Junko Fukutake Terrace Cafe)に立ち寄ってみてください。
SANAA(妹島和世氏、西沢立衛氏の建築家ユニット)デザインのカフェです。
福武總一郎氏(ベネッセホールディングス名誉顧問、福武財団理事長)の妹さんの福武純子さん(2017年逝去)が建物を岡山大学に寄付されたものです。
寄付金だと使いみちが指定できないので、建物を寄付されたということです。
大学が地域に開かれた場所になるようにという願いをこめて作られたこのカフェは大学関係者だけでなく、どなたでもご利用になれます。
地元のカフェが経営していて、美味しいランチもありますので、ランチ利用にもおすすめです。
津島キャンパスとは別の場所になりますが、医学部と歯学部のある岡山大学鹿田キャンパスにも同じくSANAA設計のJホール(Junko Fukutake Hall)というホールがありますが、
こちらは通常は外観のみの見学となります。
岡山から倉敷に行くのに岡山駅西口から出て新幹線側道を行く場合、西口から出てしばらく行くと北側に柱が何本もある岡山西警察署が見えてきます。これは磯崎新氏の設計です。
道から見るより駐車場に車を停めてみると、大きさに圧倒されます。
岡山後楽園の近くには夢二郷土美術館があります。ここでは竹久夢二の作品を見ることができますが、ミュージアムショップとカフェは美術館に入館しなくても利用できます。
カフェでは千屋牛ハッシュ・ド・ビーフのランチや岡山名産白桃の香りのする白桃ダージリンディーなどがいただけます。
内装が最近リニューアルされましたが、これは「ななつ星in九州」などをてがけた岡山市出身の工業デザイナー、水戸岡鋭治氏のデザインによるものです。
岡山の路面電車にも水戸岡氏デザインの近未来的デザインのMOMO、レトロなデザインのKUROが走っていますので、すれ違うかもしれません。
岡山後楽園のまわりは岡山カルチャーゾーンと呼ばれており、美術館や図書館が集まっています。岡山県立美術館と岡山市オリエント美術館は最高裁判所を設計した岡田新一氏の設計。
ミュージアムショップやカフェ、備前焼の壺の置かれた中庭には入場料を払わなくても入ることができます。岡山県庁、林原美術館、岡山県天神山文化プラザはル・コルビュジェの弟子、前川國男氏の設計。
円形の岡山シンフォニーホールは芦原義信氏の設計です。一帯をぶらぶらと歩いてみるのも楽しいかもしれません。
岡山後楽園から鶴見橋を渡ったあたりの場所は出石町と呼ばれ、アメリカで活躍した画家、国吉康雄の出身地です。ベネッセはこの国吉康雄コレクションをきっかけに美術品を増やしていきました。
このあたりには小さなカフェやショップがあちこちにあります。
来年2019年には瀬戸内海の島々で開催される瀬戸内国際芸術祭に加え、2016年に第1回が岡山市で開催された岡山芸術交流の第2回も開催が決定しています。
岡山芸術交流はこの岡山カルチャーゾーンで開催されます。アートの島々にいらっしゃるときにはぜひ岡山にもお立ち寄りください。
|