好きな和食、苦手な和食

通訳ガイドの仕事上どうしても避けて通れない課題の1つがお客様の食事の問題です。宗教上などの理由で食べられないもの以外にも苦手な食べ物があったり、逆に気に入られたものもあるなど日本の食事も国によって好みは様々です。以下に言語別お客様の傾向をご紹介します。

「築地」 東京来訪の海外の御客様で好きな和食は、寿司、刺身、天ぷら、ラーメン、鉄板焼、しゃぶしゃぶ、時々そば、うどん、たまに鰻、すき焼き。苦手な和食はアレルギーがなければ話題にしません。魚好きの御客様に場外築地魚河岸で新鮮な「穴子」なんぞいかが。(英語 T・I)

フランス人はしっかりした味付けがお好きなようです。よくリクエストされるのは寿司、鉄板焼き(特に神戸牛)、しゃぶしゃぶ、そば。豚カツも好評。豆腐や白いご飯は苦手。ご飯に醤油をかけたがるので、ツアーでは各テーブルに醤油を運ぶのに大忙しです。(フランス語 M・T)

「肉食べてなんぼ」「質より量」のお国柄?そんなステレオタイプは過去のものになりつつありますが、「ほんのり」「ふわふわ」「ほろほろ」系はどうも苦手のご様子。味も食感も堅実でストレート、ちょい濃いめ/固めがお好みです。(ドイツ語 C・D)

初来日の中南米の方なら和食はリスクが伴います。 天ぷら・生魚は概ね不評、味が淡白、生臭い物は避け、醤油味の濃い料理が無難です。ご飯は醤油をかけて食べます。行儀が悪いと我々はしつけられましたが、美味しいのは間違いない!(スペイン語 Y・A)

以前と比べますとイタリアの中小都市にも和食レストランが増え、和食に慣れた方が多く、箸使いも堂に入っています。好きな和食は、天ぷら・寿司・麺類・焼肉、苦手なのは、海藻類、小魚、ワサビ等でしょうか。(イタリア語 M・K)

「牛たんの店」 ある日のブラジルからの団体のランチは仙台で牛タン定食。仙台の名物料理とお伝えし、牛タン=ゲテモノの先入観を持つお客様にもトライしていただき、男性陣は大変喜ばれました。女性の中には初めて牛タンを食し、かなり勇気が要ったとのコメント。(ポルトガル語 A・K)

ロシア人はセットやコースより断然アラカルト。自分流カスタマイズを希望されます。特にバイキング形式でお肉を自分で焼く店は大変喜ばれました。デザートは餅系が苦手な人が多かったですが、最近はそうでもなく、「雪見大福」は人気で作り方を聞かれたことも。(ロシア語 R・M)

中国語圏の方は、冷やしそば・うどんはほとんど食べません。特にご高齢の方はサラダ、刺身類は苦手。若者は日本の海鮮類や野菜類は新鮮かつ安全と言い、抵抗なく食べます。陶板焼き、焼き肉、しゃぶしゃぶは皆さん大好きですが、すき焼のタレと生卵はご高齢の方も若い方も苦手のようです。(中国語 M・T)

韓国の人達はワサビの辛さには馴染んできました。健康志向が強いため塩辛い物は嫌います。日本のラーメンは好きなのでスープが塩辛い場合にはお湯足しを勧めます。日本の辛味、かんずりや青唐南蛮を知らせたい。(韓国語 I・J)



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