英 語 |
Light gains make heavy purses. |
「僅かな収益が重い財布を作る。」
薄利多売みたいなイメージですね。これは、シェークスピアの作品が生れたころのお芝居『東行きだよーお!
( Eastward Ho)』(1605)が出典とされていますが、同時代のフランシス・ベーコンの随筆集 "Civil and Moral"
にも引用されており、小さな利益の機会は恒常的にあるが、大儲けの機会は稀にしか訪れない、小さなことの積み
重ねが偉業を成し遂げるが、大きなことには滅多に遭遇しないものだ、という意味で書かれています。
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フランス語 |
Petit à petit, l'oiseau fait
son nid. |
鳥が、日数をかけて少しずつ巣を作っていくことから、
何事も粘り強く続ければ、いつか必ず成就するという意味に使われます。
おそらく、より一般的なのはイタリア語と同様 Les petits ruisseaux font les grandes rivières. の方
でしょうが、こちらは金銭的なニュアンスが強いですね。
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ドイツ語 |
Kleinvieh macht auch Mist. |
直訳すれば「小さな家畜も糞をする」となります。
どの辞書にも載っている有名なことわざで、羊や兎、鶏、ガチョウ、アヒルなどの家禽のわずかな糞も、積もれば
量が多くなるという意味です。
これらの動物は、ドイツの農家でよく飼われており、グリム童話にも頻繁に登場します。また、好んで食され、食卓
にのぼることも多いのです。
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イタリア語 |
Tanti rigagnoli fanno un fiume. |
rigagnoli は古くは「小川」という意味ですが、一般的には雨が降った
ときに道の両脇の低い部分を流れる水の流れを指します。最初ちょろちょろとしたほんのわずかな量でも、それが
より低いところに流れていくうちにたくさん集まり、いつのまにか大きな水の流れ=川になっている、というわけ
でしょうね。
辛抱強く持続することにより、難しいと思われている目標にも到達できる、という意味であれば、A goccia a
goccia si scava la pietra ― 文字通り「点滴、石を穿つ」 ― がよく使われるようです。
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スペイン語 |
Poco a poco hila la vieja el copo. |
「老婆が少しずつ紡いでも糸玉になる」と、日本語に直訳してしまうと、
語呂のよさが失われてしまうという一例。
poco a poco は慣用句で「少しずつ」を意味し、その音節を逆にした末尾の copo は「糸玉」のこと。鼻眼鏡をかけ
たおばあちゃんが、暖炉のそばあたりで安楽椅子に揺られながら、少しずつ糸を紡ぐ姿を彷彿とさせてくれます。
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ポルトガル語 |
Grão a grão enche a galinha o papo.
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「一粒ずつ食べて鶏は胃袋をいっぱいにする」。
一般的には文の途中か末尾にくる Grao a grao (「一粒ずつ」の意)が文頭に来ることで強調されています。
grao はトウモロコシの粒のこと。トウモロコシは飼料だからと、絶対に食べないポルトガル人の友人もいます。
彼は日本のトウモロコシの美味しさを知らないようですね。
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ロシア語 |
Копейка рубль бережет. |
「コペイカがルーブリを蓄える。」
コペイカもルーブリもロシアの貨幣単位で、100コペイカが1ルーブリに相当します。辞書上ではコペイカに「小銭」
という意味はありませんが、来日するロシア人旅行者の中には、5円玉や10円玉の硬貨のことを、冗談半分に「コ
ペイカ」と呼ぶ人もいます。
この諺がロシアで使われる場合の最近の例としては、たとえば「新聞の定期購読をある一定期間に申し込むと購読料
が割引になる」という宣伝広告の見出しが、「コペイカがルーブリを蓄える」となっていました。
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中国語 |
集腋成裘 |
「狐のわきの下の毛皮も寄せ集めれば毛皮の上着になる。」
純白の狐を探すのは至難の技ですが、真っ白の狐のコートを手に入れることはできます。狐の腋の下の毛は柔らかくて
真っ白。それを少しずつ寄せ集めれば、一着の純白な狐のコートができるのです。
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韓国語 |
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直訳すれば「塵集めて泰山」。漢字の4文字熟語で「塵合泰山」と
いう言い方もあり、この熟語がもとになっているようですが、出典ははっきりしません。
「泰山」とは中国の山東省にある名山ですが、転じて「高く大きな山」の意味として、韓国でも日本でも使われて
います。
ことわざの意味は日本語とほとんど同じですが、特に、こつこつやっていくことの大切さを言うときによく使います。
ただ、漢文翻訳調のちょっと固い表現なので、日本語ほど日常的には使わない気がします。
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