式年遷宮記念せんぐう館

「せんぐう館」 豊受大神宮(外宮げくう)境内に、2012年4月7日に開館した。式年遷宮について、神宮が日々何をしているかを知ってもらうことが目的。 遷宮シアター(5分)、御(おん)装束・神宝(しんぽう)の調製、社殿の造営の3つの構成で、展示室は1-8まである。隣に無料休憩所。 神域にあるため、なるべく駐車場のトイレを使用してほしいとのこと。

エントランスロビー】第59回式年遷宮で調えられた外宮正(しょう)殿の御(み)扉を展示。
遷宮シアター】映像による遷宮や神宮のおまつりの紹介。
展示室1】「日別朝夕大御饌(ひごとあさゆうのおおみけ)祭」
外宮のみで行われ、毎日朝夕2回、御饌殿で、神々にお食事を奉る。神職は、忌火屋(いみびや)殿で、「御火鑚(みひきり)具」(檜の板に山枇杷製の心棒)を擦り合わせ、忌火を起こす。
展示室2】神宮の由緒とまつり 「神宮」が正式名で、天照大神を祀る皇大神宮(内宮ないくう)や外宮など125の社の総称。年間1500回以上のおまつりがある。 外宮の豊受大神は、御饌(神々に奉る食物)を司る。式年遷宮を除き、祭儀は、外宮、内宮の順で行われ「外宮先祭」と呼ばれる。 最も重要な「神嘗(かんなめ)祭」で神職の装束や器具はすべて一新し、その年の新穀を神様に奉り、実りに感謝する。式年遷宮は神殿も一新する大規模な神嘗祭。
「せんぐう館外宮の模型前で」展示室3、4】御装束・神宝の調整  御装束・神宝は、神様が日常に使われる物、社殿を装飾する物である。20年に1度、714種類、1576点(細かな物を含め1万以上)を新調する。 過去の物は、技の伝承のため、すべて保管する。以前は、土に戻していた。
展示室4】渡御御列(とぎょぎょれつ)模型(1/6)で、渡御の様子がわかる。御列は百数十人からなり、「絹垣(きんがい)」と呼ばれる白い絹の覆いに囲まれて、ご神体が新宮に向かう。
展示室5】外宮殿舎配置模型(1/20) 外宮と内宮の違いがよく分る。 正殿の手前に、東宝殿(皇室からの賜物、神が日常使われる物を納める建物)と、西(さい)宝殿(20年前の神宝を入れる建物)がある。(内宮ではこれらは正殿の後ろ)  また御饌殿は外宮にしかなく正殿の後方北東の隅にある。 外宮正殿原寸大模型(東側面部) 正殿の模型は、「間近で見られない物を、近くで見て知ってもらう。 将来の技術者の手本にする。」という目的で建てられた神明造(高床・切妻、萱葺屋根に千木と鰹木、棟持柱などすべての柱は、根元を地中に埋めた掘立式)の原寸大で、 実際に外宮の建築に携わった工匠が、本物と同じ素材、同じ方法で作った。高欄上の5色の座玉(すえだま)は、銅板の下地に漆塗りである。
「新しい内宮本殿前」展示室6】社殿造営技術 神宮の宮大工は、職員として養成される。「墨掛け」を行い檜材から部材を取るが、経験と勘によって行う。 ある宮大工の方の道具70点が展示されている。屋根材は、神宮の萱場から採取した太いすすきである。
展示室7】情報検索ルーム
展示室8】企画展 外国人の見た、神宮・遷宮 外国人の歴史観・宗教観の共通点は「伊勢は生きている。世界中の原点である。」ということ。 歴史学者アーノルド・J・トインビーは「この聖地において私はあらゆる宗教の根底的な統一性を感得することができる。」と記帳した。(この展示は3/24まで)


(堀中 佐恵子)


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