Q. | 二条城や熊本城には、食べられる木が植えられているが、姫路城ではどう
でしょう? |
A. |
木は様々な用途をもっています。燃料、薬、武具(竹=槍や弓矢)になるものや
火災よけなど。イチョウなどは、火に強く防火の役目をします。姫路城では、防火のためにタラヨウという常緑樹が
植えられています。 |
Q. | 石おとしについて |
A. |
欧州の城にも攻撃のためのスリットがあり、フランスでは煮えたぎった油を落として
いたといわれています。姫路城の石おとしの巾は狭く、果たしてここから石を本当に落としたかは疑わしいところです。
敵を攻撃するほどの大きな石は落とせないし、名前は石おとしですが、お湯か汚物といった液体を落としていたのでは
ないでしょうか。反対に、広い開口だと忍びの者もそこから侵入できることになります。 |
Q. | 石垣について |
A. |
城内にある石垣をよく見ると、石の種類の違いがわかります。チャートは城山の
石、黒っぽい安山岩は姫路周辺の石、黄色い凝灰岩は高砂の龍山石。城から離れた場所の石が積まれた石垣は江戸
時代の池田氏以降のもの。天守石垣などには龍山石が多用されています。姫路城は、16〜17世紀にかけての新旧の
城郭部分が入り混じっているため、石の種別はその指標のひとつとなります。 |
Q. | 姫路城の今後について |
A. |
NHKのプロジェクトXで紹介されたように、昭和大修理の際には建材の調達が
非常に困難な問題でした。将来200年先に再び解体修理を行う際、果たして昭和と同じ水準の工事ができるか不安です。
文化財の建造物に必要とされる固有の部材や、棟梁をはじめとする熟練の技術者がそのときになっても確保できるか
どうか深刻な問題になると思います。
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