海外から日本を訪れる旅行者の目的が、観光の他、日本食、文化体験など多様化している中、
温泉に入ることも最近人気を増してきているようです。
道後温泉、白浜温泉と並び日本三古湯のひとつである有馬温泉は、
気軽に温泉体験ができる場所の一つではないでしょうか。
阪神の奥座敷、有馬温泉は神戸六甲山中にあります。細い坂道の多い温泉街を散策していると、
至る所に泉源があり、大地の奥深くから湯けむりを噴き出しています。
有馬温泉は「金泉」、「銀泉」の2種類の湯が湧出しており、
環境省が療養泉として指定する9つの主成分のうち7つもの多様な成分が含まれる非常に良質な湯として知られています。
「金泉」は多量の鉄分を含む強塩泉で、湧出する湯は透明ですが、空気に触れ酸化して赤湯と呼ばれる独特の赤茶色になります。
この全国的にも珍しい赤湯の金泉につかっていると、名前の通りとても贅沢な気分になります。
一方「銀泉」は透明な炭酸ラジウム泉で、この炭酸泉を利用して焼き上げた「炭酸せんべい」は有馬名物のおみやげとしても有名です。
有馬の歴史は古く、631年に舒明天皇が訪れたという記述が日本書紀にあります。
奈良時代の僧行基が寺を建立したことから広く知られるようになり、皇族、貴族、文化人にも愛されてきました。
そして太閤秀吉も湯治のために度々有馬を訪れ、千利休とともに盛大な茶会を催すなど繁栄をもたらしました。
かの武将もこの赤湯で日々の疲れを癒したのだと思うと、少し身近に感じられますね。
江戸時代にも数多くの人が訪れ、有馬千軒といわれるほどの賑わいを見せました。
有馬温泉の楽しみ方は人それぞれでしょう。ホテルや旅館に泊まり、行基の建てた温泉寺などの寺院や、
秀吉が入ったとされる岩風呂遺構を見学できる「太閤の湯殿館」などの博物館や、
泉源をめぐってのんびり散策するのも良いし、ハイキングコースで自然に触れたり、ロープウエーで六甲山頂エリアに足を延ばす事もできます。
時間の限られている人には、各ホテルの様々な日帰りプランの利用がお勧めです。
節約派には公共の外湯である「金の湯」(金泉)、「銀の湯」(銀泉)で有馬の湯を堪能することもできます。
アクセスは神戸経由で電車が利用できる他、大阪駅及び新大阪駅からJR,阪急の高速バスが出ており、1時間ほどで着くので便利です。
関西に来られた、または来られる予定のお客様が温泉に興味をお持ちでしたら、ぜひ一度有馬をご案内してみてはいかがでしょうか?
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