「通訳案内士法」は2006年4月1日施行されました

私たちは「通訳案内士」です

桜のある風景1949年に施行された「通訳案内業法」が57年ぶりに改正され、新たに「通訳案内士法」 となって去る4月1日より施行されました。それに伴い、「通訳案内士」には都道府県 知事より「免許証」に代わって「登録証」が交付されます。「通訳案内士」と聞いて もピンとこない方も多いかと思いますが、「通訳案内士」とは、"通訳ガイド" と呼 ばれている私たちの新しい正式な職業名です。

勿論、法改正により単に呼称が変わっただけではありません。私たち一人一人が接遇 業務の知識や技量の向上に努力するように、法律によって義務づけられました。この 法改正の背景には、国、地方自治体、民間が一丸となって、3年前から繰り広げられ ているビジット・ジャパン・キャンペーンがあります。

このキャンペーンが始まってから、訪日外国人数は着実に増加していますが、同時に 無資格ガイドによる社会秩序の無視や違法行為も急増し、現場の混乱は目に余る状態 となっていました。そこで、訪日外国人1000万人時代を見据えて、前線で働く通訳ガ イドの制度を見直し、『Yokoso! Japan』の合い言葉に恥じない、質の高 い接遇業務を確保しようという意図から、今回、法改正されたものです。

「弁護士」や「公認会計士」のように、特定の技量を生かして生きる個人の職業の多 くには、「士」という字がついています。「士」という漢字には、"一定の資格や役 割を持った者"という意味があるようです。外国人に日本を紹介する私たちの仕事も 、日本を正しく理解してもらうという重要な役割があり、そのための高い技術が求 められることから、「士」という字がつきました。ここ数年、時代の要請に応えて 「気象予報士」や「介護士」のような新たな職業が生まれ、社会の中に定着しつつあります。

雪景色私たちの新しいネーミングも、是非、定着して欲しいと思いますが、「通訳案内士」 は決して新しい職業ではありません。幕末から明治にかけての開国と共に多くの外 国人が来日し、"内地旅行"をするようになった約130年前、"通弁"と呼ばれる職業 が誕生しましたが、その人たちがまさに私たち「通訳案内士」の始まりといえます 。日本の近代史と共に歩んできたこの職業の存在、及び、その重要性が現代の日本 社会に広く知られ、ビジット・ジャパン・キャンペーンにも、もっと多くのJFG会 員が有効活用されることを心から願っています。


S.Y.(理事)
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