組香体験

「雲母の上の香木」 1月20日午後、名古屋の大須商店街にあるお香の老舗「春香堂」さんのご協力のもと、 織田信長の父信秀開基の寺として知られる万松寺で組香を体験した。
代表取締役の小川薫様と奥様が、お香の楽しみ方(志野流)をご教授くださった。
組香【くみこう】とは、トランプゲームのようなもので、数種類の香木を使ってその香りを当てる遊び。 今回は、その中で一番初心者向けの松竹梅香の楽しみ方を教えていただいた。
その際大切なことは、香りは嗅ぐのではなく、心で「聞く」ということだと伺った。
ただ、英語で表す場合は「smell」を使ってかまわないとのこと。

組香に必要な物

香木(沈香樹【じんこうじゅ】)
香を楽しむときに用いる香木で、アキラリア属ジンチョウゲ科の樹木。英語ではaloes wood。
樹木になんらかの菌がつくことによって木質部分が変化し、その部分を熱することで独特の香りを発するようになる。 (鰹節ができる原理と同じようなこと、とのこと。)
この沈香樹は東南アジア、特にインドのアッサム地方、ビルマ、マレーシア、ベトナム、ラオス、カンボジア、 インドネシアでしかとれず、大変貴重。その中の最高級のものを伽羅【きゃら】と呼ぶ。

香炉
香を炷く【たく】時には、香炉の中の灰の中に火のついた小さなたどんを埋め、灰の上に1.5センチ四方くらいの雲母の薄い板を置く。 香木は3ミリ四方くらいに削り、その雲母の上に置く。
決して香木そのものを燃やすわけではない。

「記紙のまとめ」
記紙【きがみ】
答えを書く紙。

松竹梅香
会の主催者が、松、竹、梅 と仮に決めた3種の香を前もってそれぞれ二包に入れておく。 一巡目には 「松」、「竹」、「梅」と客に知らせて順に上座の正客から香炉が回り、客はそれぞれの香りを聞いて覚える。
次にいよいよ出香【しゅっこう】(出題のこと)となる。 主催者は残った松竹梅の香の包みをシャッフルして順次炷き、正客から回していく。 客は一巡目で覚えた香の香りを思い起こしながら、回ってきた香炉の中の香が松竹梅のどれなのかを当てる。
例えば「竹」「松」「梅」の順で回ってきたと思えば、それを記紙【きがみ】に「竹、松、梅」と順に書いていく。 最後に記紙が集められ、主催者が答え合わせをし、正解者が発表される。

香の聞き方
「香道七つ道具」 香炉が上座の客から回ってきたら右手でとって左手に載せ、反時計回りに2度廻し、香炉の正面が自分に向くようにする。 右手でこんもりと香炉を覆い、香炉を水平にしてしっかりと聞く。 聞くときは三息【さんそく】で聞く。一息聞き、自分の左脇の方へ息を吐く。これを三度繰り返す。
その後、時計回りに香炉を廻し、正面が自分の反対側になるように持ち、下座の客に回す。
その際、一巡目は香の種類を知らせるために「松」「竹」「梅」と声に出して知らせる。                             


(坂岡 恵美子)

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