国立国会図書館関西館見学記
京都府の関西文化学術研究都市にある平成14年開館の国立国会図書館関西館を、職員の方に案内して頂いて見学してきました。
まずは閲覧室へ。閲覧室は地下1階にあるものの、天井の窓から採光できるので明るく、あまり地下にいる感じがしません。関西館の閲覧室は1室のみで、約4500平方メートルの広々とした空間です。総合閲覧室とアジア情報室の部分に分かれており、総合閲覧室には辞書や事典などの参考図書が置いてあります。アジア情報室には中国語・韓国語他、様々なアジア言語資料と日本語の資料がテーマ別に書棚に並んでいます。また、アジア各国の新聞の他、日本で発行されるアジア言語の新聞も閲覧できます。閲覧室の入口で頂いた「閲覧室のご案内」によると、総合閲覧室の東端に「新聞 政党紙・欧米紙」というエリアがあります。皆様もきっとお目当ての新聞が見つけられることでしょう!ここには閲覧席が350席あり、パソコンを持ち込める席もあるので(机にコンセントが付いています)、調べ物をしつつ仕事をするときは、快適に作業ができます。質問があるときは「総合案内」またはアジア情報室にある「アジアカウンター」で質問できます。
閲覧室を後にして職員しか出入りできない書庫へ。普通に書架が並んでいる「固定書架」を見て回りました。書架には空いているスペースがかなりありましたが、ここにある資料はすべて永久保存するため、5,6年後には資料で一杯になるそうです。関西館の隣接地にもう一つ、書庫を入れる建物を建てる計画があるのですが、予算の都合でまだ実現していません。比較的閲覧頻度の高い資料は、「固定書架」に収蔵されます。あまり閲覧されない資料は、「自動書庫」に収蔵されています。自動書庫内ではプラスチックの衣装ケースのようなコンテナに資料が詰められ、そのコンテナが地下4階から地下3階までぎっしりと積み上げられた状態になっています。人は入れず、必要に応じて職員がコンテナをコンピュータで呼び出すと、コンテナが上下左右に移動して職員の許へ資料を運んで来ます。書庫の天井には縦横に走り回る赤い小さなかわいい車が。閲覧室にあるコンピュータで書庫内の資料の閲覧を申し込むと、職員により取り出された資料はこの台車に載せられて閲覧室へと運ばれます。
最後にカフェテリアを案内して頂きました。ここには500円から1000円くらいの定食メニュー等があり、飲み物やアイスクリーム、パンの自動販売機も置いてあります。お弁当の持ち込みも可能です。カフェテリアの外の屋上庭園には木が植えられ、明るく開放感があります。ここの木は関西館の外側からガラスを通して見えるので、建物の外観を個性的で美しいものにしています。
関西館の来館利用は1日300人程度で、インターネットによる利用が圧倒的に多いそうです。国立国会図書館のホームページを開くと、電子図書館に関する案内も見られます。
近鉄祝園駅からさらに本数の少ないバスで約10分と、交通の便はあまり良くありませんが、図書館周辺には「けいはんな記念公園」やレストラン、商業施設等もあり、結構楽しめるかもしれません。周辺はだだっ広い空き地がいたるところに広がっていて開放感があります。1日図書館で資料を調べたり原稿を書いたりする時など、お勧めの施設です。
HPには関西館バーチャルツアーがあり、館内の様子が詳しい写真で紹介されています。
(佐伯 仁美)