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英語でガイド研修ツアー 京都・奈良編

5年前から年1度のペースで実施してきた、ベテランガイドによる英語での研修ツアーも今回で5回目、関西では初めての開催となった。今回の講師は関西を代表するガイドの一人である寺田一彦氏(組合員)。

関西を代表するガイドの一人である寺田一彦氏(組合員)
第1回英語でガイドツアーを開催した頃と比べると格段にモーティベーションが高い受講者が多くなった。遠方から数万円の交通費、宿泊費をかけて参加した受講者も多く、気合の入りかたが違っていた。研修中は英語のみを使用するという決まりがあるにもかかわらず、つい、なれ合いになって日本語を話す受講者が一部に見られた過去の研修会とは異なり、皆研修の趣旨を理解し、ルールを守り日本語を ほとんど耳にすることのない研修会となった。

今回の研修は奈良、京都の二都を1日で回るハードなツアーである。受講者には外国人の観光客になりきってもらい、講師もそのつもりでガイド(講義ではない)をしてもらった。東大寺、二条城、金閣寺、平安神宮を回り、その間、移動中はバスの中でさまざまなトピックについて英語での話となった。研修のねらいは、訪れる場所に関する知識を得ることよりも、トピックの選び方、言葉の選び方、プレゼンテーションの仕方等の技術を学ぼうということであった。そのために英語でという部分に固執した次第である。

寺田講師のガイドは、仏教や曼荼羅といったやや堅い話から、ジョークを交えた軽い話とバラエティーに富んでいる。お辞儀や、靴を脱ぐといった習慣は我々誰でも知っていることであるが、これを、ユーモアあふれるエピソードを交えながら説明し、ガイディングという「商品」に仕上げるのは必ずしも容易ではない。今回の研修会ではそういったプロの技術を惜しげもなく披露してくれた。

東大寺でのガイディング
目を引くものが車窓に映ればそれを媒体にしながら話に入り、車窓の景色が殺風景になりはじめると、日本の国土や日本人の起源といった、目にみえない事柄の説明、お客様が疲れてきたら日常的な事柄に関する軽い話へ、奈良、京都でも市街地に入り始めたら、今日の古都の話へと、状況に応じて変幻自在にトピックが変化して行く。

ガイドブックや百科事典に載っているような類の知識から、現地の人間しか知り得ないような事柄まで幅広いガイディングを聴くことができた。

参加者の大半が現役のプロのガイドという今回の研修で、受講者たちをうならせる事ができるのはさすがにベテランである。ベテランガイドによる英語での実地研修は今後も定期的に開催して行きたい。

(岡野 斉明)

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