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【通訳ガイドレポート】JFG地方便り「青森を巡る旅 -定番から穴場へ-」【NEW】

2022.9.15

青森県というと、熱気溢れる「青森ねぶた祭」を想像する人が多いでしょう。眠気を取り去ろうとするこの祭りには、毎年8月2日―7日に200万人の観光客が集まり、神話と歴史的な物語の場面を再現した華やかな20台ほどのねぶたが街中を運行します。しかし、やっぱり一番感動するのは、最後の夜に行われる祭りのクライマックス、ねぶた海上運行ですね。七夕祭りの灯籠流しの変形とされており、穢れを川や海に流す禊の行事として、ねぶたを灯籠代わりに流すのです。享保年間(1716年~1736年)にはこの祭りが既に行われていた記録が残っています。なお、青森ねぶたが現在のように大型化したのは戦後です。「ねぶたの家 ワ・ラッセ」では、1年を通じて本物のねぶたが展示され、祭りの歴史を知ることができます。

 

青森市からたった一時間のところに八甲田山があります。八甲田という名称は、八の(たくさんの)峰と、その山中の所々に湿地、つまり田が多いので、つけられたと伝えられています。シベリアから吹く強い風によって生まれるスノーモンスターと呼ばれる見事な樹氷が見られるために、今では多くの自然の愛好者とスキーヤーがやって来ます。1902年1月に冬のロシアとの戦いに備え、雪中行軍演習が行われ、青森歩兵第5連隊の将兵210人が猛吹雪に襲われ、遭難し、199人が死亡した場所でもあります。八甲田山は、深田久弥により百名山のひとつに選ばれ、一年を通して登山者の間で人気を博しています。高山植物の宝庫でもあるので、夏にもぜひ一度訪れていただきたいところです。ロープウェイで標高1300mの山頂まで10分で到着することができます。八甲田山の後で、疲れを癒すために、酸ヶ湯温泉の広々とした「ヒバ千人風呂」にもぜひ入ってみてください。酸ヶ湯温泉は、江戸時代の初期に、鹿が湯に傷を癒していたことから、鹿湯とも呼ばれています。1954年にすぐれた温泉地として「国民保養温泉地第1号」の指定を受けました。古き良き雰囲気が漂う混浴ではありますが、女性は湯浴み着を着用して入浴することもできます。

 

もし、歴史と触れ合う場所を探すのであれば、弘前藩4代藩主津軽信政を祭る高照神社と高岡の森弘前藩歴史館もおすすめです。津軽信政は1710年に弘前城中にて65歳で亡くなり、神式により当地に葬送されました。5代藩主が1711年に霊社建立に着手し、翌年に本殿等が完成したとされています。吉川神道の教えに基づいた建造物群で現存するのは他に例がなく、江戸時代中期の神社建築をよく現わしていることから、本殿をはじめとする高照神社の八棟と信政公墓二基が重要文化財に指定されました。歴史館では、戦国の動乱期に津軽の地を支配した津軽氏の歴史が伝えられ、武具や刀剣類など、弘前藩津軽氏の旧蔵品が展示されています。「武家のみやび」という企画展を訪れた際に、9代藩主津軽寧親由来の茶道具等、江戸時代の振袖を見る幸運に恵まれました。

 

他に、こけしで有名な黒石市にある烏城焼の登り窯と津軽茶道美術館にも是非足をお運びください。2018年に完成された世界最長の103メートルの大登り窯を見学することができます。平安・鎌倉時代の壷に憧れて、陶芸の道に進んだ今井理桂の茶道具のコレクションと窯の中で何度も形を変える自然釉にこだわってきた本人の個性豊かで力強い作品を鑑賞することができます。美術館の茶室では今井理桂のお茶碗で抹茶を楽しめます!


近くには、各地のこけしが見られる津軽こけし館と津軽伝承工芸館があります。津軽塗工房では、約300年の歴史がある津軽塗りの制作工程について教えていただき、津軽塗の研ぎ出し体験もできます!

(ベリャコワ・エレーナ ロシア語・英語)

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