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研修会レポート < 日本橋研修 >

2022.10.15

長いことオンライン研修が続いていましたが、いよいよ街に飛び出す時が来ました。9月7日、「日本橋の歴史、建物、老舗」をテーマにした東日本業務研修会が行われました。時折、小雨がパラつく天気ではありましたが、仲間に会えること、歩けることがなんとも楽しい!やっぱりガイドは歩いてナンボですね。中央区観光協会・観光おもてなしスタッフさんに、JFGのためのオリジナル・コースで歴史ある日本橋エリアをご案内いただきました。

 

ルートを説明すると、中央区観光情報センター(京橋エドグラン内)を出発。骨董通り、日本橋、熈代勝覧(地下通路)、日本銀行や代表的な老舗店など30ヶ所以上をめぐり、小津和紙で解散。表通りを歩いたかと思えば裏道へ入ったり、はたまた地下に潜ったり。縦横無尽に日本橋の様々な表情を追いかけました。

三井本館

 

日本橋は1604年「東海道」、「日光街道」、「奥州街道」、「中山道」、そして「甲州街道」の起点として定められ、全国各地から多くの人やモノが集まる物流の拠点となりました。商業では、三井越後屋が牽引していたのはご存知の通りですが、現在は越後屋所縁の三井不動産が「日本橋再生計画」として官民地元とともにこのエリアの再開発を担っているのは興味深いことです。デベロッパー目線で見れば、三井牙城の日本橋エリアに、丸の内をテリトリーとする三菱地所が常盤橋街区再開発プロジェクトとして一歩踏み込んできた動きにも目が離せないです。三井VS三菱。それぞれの都市開発手法を比べてみるのも楽しいです。

 

さて。魅力が多岐に渡る日本橋ですが、テーマごとにざっと整理すると

ヤン・ヨーステンとリーフデ号の記念碑

 

日本橋魚河岸記念碑

 

<歴史の記念碑>
ヤン・ヨーステンとリーフデ号の記念碑、日本橋魚河岸記念碑、日本国道路元標など。ヤン・ヨーステンのレリーフには東インド会社のマークも見えます。記念碑ではありませんが、江戸後期日本橋の北側を描いた熈代勝覧(複製)からは、当時の人々の様子がいきいきと伝わってきました。

 

<歴史的な建築群>
三井本館、日本銀行本店、日本橋三越本店、日本橋高島屋本店、日本橋など。国指定重要文化財や西洋建築をこれほどまとまって見ることができるのは日本橋ならでは。特に三井本館は昭和初期の名建築。コリント式ジャイアントオーダー(柱)は美しく見応えがあります。

 

<古美術・骨董店>
繭山龍泉堂、魯卿あん、海老屋美術店など。日本橋の古美術店は敷居が高く、なかなか暖簾をくぐれませんでしたが、少し身近に感じられるようになりました。魯卿あんが建つ場所は、あの北大路魯山人の美食倶楽部があったところ。美味しんぼの美食倶楽部ではありませんよ。(笑)

 

<老舗>
榮太郎総本舗、山本山、にんべん、木屋、榛原、桃六、江戸屋、伊場仙、小津和紙など。お馴染みの名店が続々と。にんべんでは削りたてのかつお節を提供していたり、小津和紙では紙漉きの体験もできます。老舗も時代に合わせた新しいサービスで顧客との接点拡大を目指しているようでした。

 

日本橋に立つと、かつての江戸の賑わいを感じることができますし、一方でこれから東京がどこへ向かっていくのかその未来図も見えてきます。たった2時間歩いただけでしたが、日本橋にまつわる様々な有形・無形の宝物を学ばせていただきました。この素材をどう組み合わせ、さらに魅力的なストーリーに仕立てるかは、私たちガイドの腕次第? 来るべきインバウンド本格復活の日に備えて、幾つものストーリーを用意しておきたいと思います。

 

(中谷 直子 英語 神奈川県在住)

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