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通訳ガイド体験談-サラリーマンガイドとJFG

2019.3.15

サラリーマンとガイド稼業は両立するのか?そんな不安を抱きつつ始めた通訳案内士だが、初年度(4~12月)の稼働は幸運にも恵まれ25日となった。そんな新人ガイドの1年をJFGでの活動とともに振り返りたい。

2015年に合格したものの、登録を行なったのは2017年末で、そこから私の活動が始まった。私にとってJFGは専業ガイドのための団体であり、魅力的ではあるが兼業の私には敷居の高さを感じていた。ただ、松本理事長の著書の読者であったため、軽い気持ちで説明会に参加したところ、高い熱量に触発されすぐに入会届を提出した。

最繁忙期である春のデビューを目標にし「出来ることは全部する」と決め、年明け以降、全ての週末をデビューに向けた準備に費やした。まず、バス添乗のため国内旅程管理主任者資格を取得し、その後、JFGの新人研修に参加した。新人研修では、講師陣の「知識、話術」に圧倒されたが、必死でメモを取り、研修後は判別できない文字に悪戦苦闘しつつWordに書き起こした。この時のメモは後々のガイディングに非常に役立っており、以降の研修でも、記憶が新しい数日以内にレポートにまとめるようにしている。自分の記憶力と能力に自信がないからであるが、研修は終了後の行動が重要と散々サラリーマン稼業で言われてきたことが、今になって活きている。

また、ガイドとして一般的な知識が不十分であることを認識したため、新人研修で知り合った数名で、研修資料に記載されたゼネラルトピックについて分担して調べ、一つの資料にまとめた。その後も、その時の仲間には、自主研修の実施や情報交換を通して大いに助けられている。また、それぞれの強みや興味が異なるため、自分の視野を拡げてくれる有難い存在である。

新人研修終了後は、その翌週に実施されたJFGプレゼン面談会に参加し、望外の評価を得て、JFG経由でのインセンティブツアーのアサインに繋がった。ツアーはバス2台口の1台で、業務打診の際には一瞬躊躇したが、チャンスは2度とないかもと思い、業務を受諾した。不測続きで大変なツアーであったが、JFG先輩ガイドの心強いリードと新人研修で学んだバス内でのipad活用術で何とかデビュー戦を乗り切ることが出来た。

ただ上手くいったことばかりかというとそうではない。2月には複数の旅行会社に履歴書を送付するも、殆ど返事は無く、たまに頂いた返事はいわゆる「お祈りメール」であった。また複数のガイド向けマッチングサイトにも登録したがこれも反応が全くなかった。

それでも5月には2度の就業機会を得たが、6~8月の間は半日業務が1回のみであった。ただ、新人の私にとっては、この間は未知の分野の学習や街歩きを行う絶好の機会となった。特に芸術関係に縁がないまま半生を過ごした私は、「トウハク」と聞いても「それっておいしいの?」というレベルであったため、夏のJFG研修は大変有意義であった。夏休みを使い、座学研修は3回(日本歴史、江戸博、東博)、ウォーキング研修は2回(東博、谷中)参加した。10月には、これらの研修のお蔭でゲストを谷中・上野にご案内する機会を得て、大変喜んで頂けたことは自分にとっても良い思い出となった。この場をお借りし、講師の方々に感謝申し上げたい。

この1年はあっという間に駆け抜けた忘れられない1年となった。まだまだ足りないことばかりであるが、足りないピースを一つずつ埋めながら、当面の間は2足の草鞋を楽しんでいきたい。

(長谷川洋)

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