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【通訳ガイドレポート】2024年 東日本地区新人研修会報告

2024.8.15

JFGでは毎年2月に東日本と西日本で1回ずつ新人研修会を実施しています。この研修会は、組合員だけでなく全国通訳案内士国家試験合格者であれば、誰でも申し込みができます。JFGの新人研修会の目的は「プロの通訳ガイドとして仕事を始めるために、実践的かつ必要最低限のひと通りの知識を提供すること」です。

 

ここでは、アンケート内容をご紹介しながら、2024年2月に実施した新人研修会(東日本地区)のご報告をします。今回は下記の要領で実施しました。5日間の研修のうち、2日間のセミナーはオンライン形式、3日間は貸切バスで訪問箇所に赴く実地形式です。

 

受講生の皆様からは「ガイドとして仕事を始めるにあたって必要な情報や経験談を惜しみなくご教示いただき、漠然とした不安を大分解消することができました。研修のプログラムすべてが、受講生のガイドとしてのキャリアを心から応援してくださる気持ちで綿密に組まれていることが伝わってきました。講師、体験談など、研修に携わったすべての皆様、先輩の方々に心から感謝いたしております。本当にありがとうございました。」など多くのご好評をいただき、5日間の研修を成功裡に終えることができました。

 

◇実施日:5日間 

2/17(土)  オンラインセミナー「ガイドの基礎知識」「空港送迎」

2/18(日)  東京(バス実地)

2/23(金・祝)鎌倉・箱根(バス実地)

2/24(土)  日光(バス実地)

2/25(日)  オンラインセミナー:ガイド料金・JFGについて、アウトプット実習、体験談、
2/25(日)  大手旅行会社インバウンドご担当者様のお話、Q&A、交流会

 

詳しくは新人研修会 (jfg.jp)を参照

 

◇参加人数  65名(組合員10名 一般55名)

 

◇バス台数   2台

 

◇参加者内訳

<性別> 女性38名(58%) 男性27名(43%) 比率は昨年と変わらず。

<年齢>

20代 30代 40代 50 60 70代~
2(3%) 2(3%) 9(14%) 26(40%) 23 (35%) 3(5%)

50代以上が80%、60代以上が40%を占めた。

 

<居住地>

関東 中部 関西 九州
58 2 4 1

 

<言語 (複数言語取得者含)> 

英語 中国語 フランス語 スペイン語 イタリア語 タイ語
56(86%) 1 4 3 1 1

 

 

アンケートでいただいた感想を、一部下記に紹介します。

 

<ガイドの基礎知識>

「ガイドとして何が必要なのか、試験勉強では分からない実務的な点がよく理解出来た。」「ツアーの成立に至るまでの過程やツアーの種類、アサインから準備までの具体的なステップ等々図解もあってとても分かりやすかったです。」

 

<空港送迎研修>

「前日までにやること、当日に空港に行く前にやるべきこと、到着してからの流れをビデオで撮影した現場を見せていただきながら丁寧に説明していただき、大変わかりやすかったです。」「オンラインでの研修だったため、落ち着いてメモを取ったり、マップに書き込んだりすることができました。」

 

<東京研修>

英語バス「講師による英語のガイディングと、注意すべきポイントは日本語で補足いただき、場所は知ってはいるが不安に思っていた東京都内ガイディングがイメージできた。ユーモア、ウィットに富み、あらゆる質問にも的確に答える講師を尊敬します。」

日本語バス「爽やかで、広く深く正しい知識に基づくガイディングに感銘を受けました。添乗業務(各スポットの動線の特徴、混雑や渋滞への留意点)がわかりやすかったです。盛り上げ方なども勉強になり、講師の情報量の多さに圧倒されました。」

 

<鎌倉・箱根研修>

英語バス「講師の芸術的ともいえる素晴らしい話術、豊富な知識と話題に感嘆するばかりでした。悪天候な時でもそれをポジティブに転換する言い方や、ロングドライブのトークに使う資料の使い方など、かなり実践的な内容で、学びの多い内容でした。」

日本語バス「講師の方は話題が豊富で話の引き出しが多く、話題も尽きない、その知識量に圧倒されました。話を膨らませる方法なども、どれも具体的でわかりやすく、もっとモデルガイディングやアドバイスを聞きたいと思いました。」

 

<日光研修>

英語バス「講師の圧巻の知識量・語学力よるガイディングには圧倒され続きの連続でした。目の前に見える物だけを説明するのではなく、そこに至る(見えない)経緯に重点を置き高いレベルの話を分かりやすく伝える、これこそコミュニケーションの完成形とショーでも観ているかのような気分でした。」

日本語バス「講師の圧倒的なパフォーマンスはとても参考になりました。自己紹介だけで一気に引き込まれ、最初の10分の重要性がよくわかりました。雑談からの話のつなげ方・発展のさせ方、そこに訪問地の説明も織り込むという手法、とても勉強になりました。自分も車内トークでお客様を飽きさせないガイドになりたいと思いました。」

 

*   *   *   *

 

研修では、受講生の皆様が講師の話を一言一句聞き漏らすまいと耳を傾け、必死にメモを取る姿がとても印象的でした。講師は少しでも多くの情報を提供しようと、立ち止まって話をするだけでなく、歩きながらも話を続けます。講師のパワフルさには感心しますが、メモを取り続ける皆様の努力も並々ならぬものです。皆様の懸命な姿を見るたびに研修を受けた頃のことを思い出し、自分も初心に立ち返る思いです。

 

帰路ではアウトプットの機会を設け、バスの中でマイクを使いあるトピックについて話す「マイク体験」をしていただきました。緊張を強いられる非日常的な場面にもかかわらず、ほとんどの方が与えられた時間内で話を続け、見事にやり遂げました。受講生のレベルが年々向上していることを実感しています。

 

最終日セミナーでは、黒崎豊子副理事長からガイド料金やJFGについての具体的な説明があり、2人の先輩ガイド(中山エリ子さん、上西英雄さん)による体験談が続きました。次は、小グループに分かれ、受講生全員が事前に与えられたトピックについて合格言語でガイディング・シミュレーションを行う「アウトプット実習」です。ここでも多くの組合員の皆様にコメンテーターとしてご協力をいただきました。

 

大手旅行会社のインバウンド担当者様からは、インバウンド業界の現状や今後の見通し、ガイドを雇用する側の事情などについてお話いただきました。質疑応答では、事前にいただいたたさまざまな質問に対して、東日本新人研修委員会メンバーである先輩ガイドが、率直に個性豊かに回答します。最後に号車ごとに分かれ、講師やスタッフを交えた懇親会で5日間の新人研修会を締めくくりました。

 

このように、受講された皆様から研修会への高い評価をいただき、文頭で述べた新人研修会の目的を達成することができました。

 

最後に、新人研修会催行に携わってくださった組合員の皆様、東日本新人研修委員会の14名のメンバーの皆様、事務局の皆様、ホームページ更新にご尽力いただいたサイト委員会に、心より感謝申し上げます。

 

来年も、新人ガイドの皆様がプロの通訳ガイドとしてスムーズなデビューを果たすお役にたてるよう「通訳ガイド業界で最高の新人研修会」催行を目指し、2025年2月に向けて、講師・スタッフ一同、精一杯努めてまいります。

 

(東日本新人研修委員会委員長 桶谷 有紀  英語 東京都)

 

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