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【NEW】【通訳ガイドレポート】研修会レポート
< 神戸ビーフ、美味しさの秘密を探る >(JFG西日本業務研修)

2026.4.15

2025年12月に「神戸ビーフ、美味しさの秘密を探る」と題してJFG西日本業務研修が行なわれました。今や神戸ビーフが高級和牛ブランドとして認知され、広く海外の人々にまで知られるようになりました。今回は神戸肉流通推進協議会の事務局長にお越しいただき、その秘密を探りました。午後はKobe Beef館(新神戸駅隣接)で神戸ビーフの試食をし、JA全農兵庫神戸ファームの見学をさせていただきました。

 

まず日本の牛・和牛の種類をあげると、黒毛和牛、褐毛和牛(通称あかげ、あかうし)などがあります。そして黒毛和牛には、但馬牛、宮崎牛、近江牛などがあります。神戸牛は但馬牛になります。

昔日本では仏教の影響で、牛肉を食べる習慣はありませんでした。兵庫地方では但馬牛は役牛(田んぼを耕したり、荷物を運んだり)として人の労働の補完をしてくれていました。幕末1858年横浜港が開港し、横浜に来た外国人に神戸から運んできた但馬牛を料理して出したところ、大変美味しく”Kobe Beef”と呼ばれ、世界中にその名が広がったそうです。1868年には神戸港も開港され、外国人の居留地ができ、神戸周辺の使役につかわれていた但馬牛が食用とされ、神戸ビーフの美味しさは評判となりました。また日本人も徐々に牛肉を食べるようになりました。

 

しかし、神戸で食べる牛肉はすべて神戸ビーフ、輸入肉であっても神戸ビーフという事件が起こり、神戸ビーフの定義・品質・信用を維持・管理する目的で、1983年に神戸肉流通推進協議会が設立されました。生産者、流通業者、消費者団体で構成されています。

 

では、神戸ビーフをうみだす但馬牛の定義は?
兵庫県の県有種雄牛のみを歴代にわたり交配した但馬牛を素牛(もとうし)とし、繁殖から肉牛として出荷するまで協議会の登録生産者会員が兵庫県内で飼育し、兵庫県内の食肉センターに出荷した雄牛または去勢牛。
即ち、お父さんもお母さんも、おじいちゃんもおばあちゃんも、その先も但馬牛で、兵庫県生まれ、育ち、お肉にならなければ認められません。兵庫県内で長くその血統を守っています。

 

そして、前述の但馬牛の中で以下の①②③の要件をクリアしたものが、神戸ビーフとして認定されます。
① 資格:未経産牛(子どもを産んでいない雌牛)、去勢牛(雄牛)
② BMS値:6以上
*BMS(ビーフ・マーブリング・スタンダード)値=最もサシが入っているものが12、全くサシのないものが1、という12段階で定められている。神戸ビーフは6以上のもの
③ 歩留等級「A」または「B」
歩留等級とは、食べられる肉の重さがどれだけあるかを示しています。
肉の枝肉から骨や余剰脂肪を除いた精肉のとれる割合をA, B, Cの三段階で評価した基準です。
以上の①②③の大変厳しい基準をクリアした肉だけが「神戸ビーフ」と呼ばれるわけです。

 

神戸ビーフはなぜ美味しいの?
美味しさの成分であるオレイン酸を含むモノ不飽和脂肪酸が他の和牛より多いということが分かっています。オレイン酸は、口の中の温度で融けやすく、口溶けの良さにつながっています。

 

本物の神戸ビーフをどこで食べることができるの?
1. 神戸肉流通推進協議会が「神戸ビーフ」の定義を明確にし、「神戸肉之証」を発行しています。
2. 販売店および生産社を指定登録する。
3. 指定店にブロンズ製のモニュメントを置く。

ブロンズ製のモニュメント

 

神戸ビーフ指定店になりたい方は、納入する指定登録店(卸売・小売)からの紹介が必要。指定登録をした後は、必ず紹介された指定登録店から神戸ビーフを仕入れる。紹介された指定店も必ず神戸ビーフを供給する。というように、神戸ビーフの購入ルートが確立されています。他の銘柄にはない取り組みです。

 

但馬牛は何を食べていますか? ビールを飲ませたりしていますか?
餌は稲わらなどの乾牧草と配合飼料(大豆やとうもろこし、大麦など)を与えています。
小頭数の牛を育てている肥育農家の中には、それに近いことを実行されている方もいるかもしれませんが、このような特殊な育て方が、すべての神戸ビーフのスタンダードというわけではありません。ビールは牛の食欲増進に役立つという説もありますが、ビールを飲ませて育てるケースはありません。

 

兵庫県以外の和牛では、他県から牛を導入し、交配して改良されてきました。兵庫県だけは、現在も他県からの牛を一切受け入れず「閉鎖育種」によって、「但馬牛」の血統を守り続けています。
長く守り続けてきた但馬牛の血統、厳しい審査基準、徹底した品質管理、それらが神戸ビーフのブランド力を保ち、向上させてきたと感じました。

 

神戸肉流通推進協議会 https://www.kobe-niku.jp/contents/about/definition.html

                                (小林 克江 JFG英語ガイド 大阪府在住)

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