箕面の滝
2019.8.15
初めに
大阪の北摂・豊能(豊能郡・箕面市・池田市・豊中市)界隈の人は、一度は箕面の滝へ遠足等で来たことだろう。私自身の記憶にあったのは「滝、もみじの天ぷら、お猿さん」。そして猿に弁当を取られて半泣きの同級生。 それからウン十年後の昨年秋、箕面ガイドを拝命した。
一の橋
箕面の滝までは、阪急箕面駅始点の「滝道」を歩く事、約2.8km、75分程度でたどり着ける。改札を出て、もみじ天ぷら等の土産物店通りを抜けると、一の橋。ここからは箕面川の清流に沿った楓のトンネルや杉木立の山道となる。木々の香り、鳥のさえずり、せせらぎの音に癒されつつ、滝を目指す。
昆虫館
箕面の森は日本有数の昆虫の宝庫として知られ、その生態を紹介するユニークな博物館。
箕面山瀧安寺(りゅうあんじ)
658年役行者が興した修験道場。空海、日蓮、蓮如等も修行したとの事。当初本堂は滝の横にあり広大な境内は現在の阪急箕面駅まで及んだ。本堂の弁財天は我が国最古で日本四弁財天の一つ。400年前「箕面の富くじ」を始め、宝くじ発祥の地。朱塗りの二の橋先の美しい堂宇は台風被害を受け修復中。
紅葉の天ぷら
役行者が灯明油の残りでモミジ葉を揚げて振る舞ったのが最初と言われる。一行寺楓という品種の葉を一年以上塩漬けにし、小麦粉・水・砂糖・ゴマの衣で20分カリッと揚げたもの。
唐人戻り岩
唐の貴人が滝の評判を聞き近くまで来たが、この巨岩の大きさに驚き引き返したという伝説により、この名前が。
箕面の滝
33mの高さで日本の滝百選の一つ。秋は紅葉、初夏からは青もみじの隙間より岸壁から轟音ともに一気に流れ落ちる雄大さ。箕面という名は木々の間から落下する滝が「箕」に似ていることに由来。役行者がここで荒行後、瀧安寺を開いたとのこと。
野生の猿
天然記念物。1954から1987まで餌付けされていたが現在は野生に戻す為、餌やり禁止。あげると罰金一万円。その為今ではあまり滝付近で見かけないが、時折木々の間からキィーッ、とけたたましい声が。
聖天宮 西江寺
ここも役行者創建。一の橋手前高台の元摂津国・神宮寺。「聖天さん」と親しまれ地元の信仰を集めている。
最後に
箕面駅から5分で清流の滝道へ。一の橋はまさに俗から聖への結界。入口にこんな看板が:こころ豊かな森の旅へようこそ。あなたを優しくする箕面です。Enjoy a therapeutic walk in the Minoh woods!
(五歩一文子)