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【通訳ガイドレポート4月号】静岡バス研修

2021.4.15

徳川家康が晩年を過ごした駿府(静岡市)は、最後の将軍、徳川慶喜が大政奉還後の後半生を送った地であり、徳川将軍家と所縁の深い土地柄です。また、温暖な気候や海の幸、お茶の産地として知られ、市内各所から富士山の表情を楽しめる景勝地でもあります。

 

10月に行われたバス研修では、JR静岡駅に集合し静岡浅間神社を権宮司の案内で見学後、三保松原を地元ガイドの案内で歩きました。清水港で昼食後は、久能山東照宮で禰宜(ねぎ)から説明を受け、久能山とロープウェイで結ばれた日本平夢テラスも訪れるといった盛りだくさんな内容でした。天候にも恵まれ、訪れた先々で新雪の富士山を望むことができ、参加者全員大満足の研修となりました。

 

静岡浅間神社のある地(JR静岡駅から北西2Km)に神社が存在したのは、2100年前の弥生時代、近くの登呂遺跡が現役だった頃からだそうです。徳川幕府が、1804年から60年をかけ10万両を投入し24の社殿群の大造営を行いました。境内で最も壮麗な建物である大拝殿(重要文化財)は、高さ25m、広さ132畳で日本屈指の大きさを誇っています。社殿の装飾は、日光東照宮や久能山東照宮と同様に、金箔の上に彩色を施したもので、江戸時代、優れた職人を全国から集めたことから、その後、静岡が「ものづくり」の町として、発展する契機になったと言われています。

 

三保松原は、駿河湾の背後に富士山がすそ野を広げ、7kmの砂浜にそって約3万本の松の木が連なり、2013年に富士山世界文化遺産の25の構成資産の一つに登録されています。能「羽衣」の舞台となった羽衣松の近くには、三保松原に憧れたエレーヌ・ジュグラリスというフランス人舞踏家の石碑が立ち、2019年3月に観光情報の発信スポットとして静岡市三保松原文化創造センター(通称:みほしるべ)がオープンしました。

 

家康を祀る東照宮は日光が有名で、家康亡き後に遺言により遺体を安置埋葬したのが静岡市の南東に位置する久能山東照宮であることを知る人は少ないかもしれません。江戸時代、北の日光東照宮、西の久能山東照宮として江戸を守って来た久能山では、御社殿が国宝に指定され、昨年までは台湾を初め多くの外国人観光客を集めてきました。

 

日本平山頂に2018年11月にオープンした日本平夢テラスは、久能山と日本平ロープウェイで結ばれています。隈研吾設計の木を強調した建物で、建物の外周を回りながら富士山と駿河湾を中心に360度の眺めが楽しめる所です。建物の一角には富士山の見えるお洒落なカフェもあります。

 

最後に、「すし横丁」で昼食を楽しんだ清水港は、2017年に国土交通省より「国際旅客船拠点形成港湾」に指定されクルーズ船の寄港地としての今後が期待されています。2019年の外国籍クルーズ船の寄港数は29回で更なる増加が見込まれていましたが、残念ながら2020年度に入ってからは新型コロナの影響でゼロになってしまいました。

 

コロナが終息し、日本に多くのインバウンド観光客が戻ると共に、静岡が、日光や皇居(昔の江戸城)を訪れる外国人の新たな観光資源として再認識される日が訪れることを願ってやみません。

 

  

(西口美津子 英語)

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